My Switzerland  |  WatanabeAni

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スイスはずっと行きたい場所だった。

尊敬する友人の生まれ故郷。

その生家を訪ね、友人がどんなところで育ったのかを

この目で見ることができた。


父親はスイス鉄道の駅長をしていたが、

本人も故郷に帰るのは久しぶりらしく

古くて威厳のある駅舎を見上げて感慨深げだった。


彼の両親のお墓がイタリアにあり、

俺は何度もそこに行ったことがある。

お墓でしか知らなかった彼の父親が生きていた頃に

働いていた駅や、母親と住んでいた家を見て、

俺もうれしく思った。

彼が子供の頃に住んでいたという家の前には

チューリップがたくさん咲いていた。


その写真を後で会ったときに渡すと、

彼は何も言わずに俺の肩を抱いてくれた。